Author:サク
しょうか、消火、さっさと消化。
深い深い海の底で、満月が珊瑚の白い指先を照らす。
フリルの裾を揺らし、海月はどこにむかっている。 |
寝る前に、夢を考えてみる。 まだ少し冷たくて、春を思い出させるような あるいは、満月に照らされて空に浮かぶ夢を そこに価値や形はなく、ただひらひらと流されるだけでいい。 無意味こそ、夢の醍醐味だ。 おやすみなさい。 |
今こうやって、苦しいとか辛いとか感じていたこともいつか忘れるんだろうな 読み返して、こんなこともあったねなんて軽く笑って終わってしまうんだろうな。 悔しいとか悲しいとかそんなんじゃなくてただただ罪悪感だけがそこにある。 「結局、その程度だったんだよ」 うん。 「頑張っていると思い込むことが幸せじゃないだろ」 うん。 「でも、それをやめたら何も残らないよね」 うん。 「今、何か残っているのか」 どこを向いても逃げ道しかなかった。 いい加減、丈夫な振りするのも限界だった。 何もないのは怖い 嫌いなものはどうしたって好きになれない できないことはできない 笑い続けるのは辛い 泣きたい、キレてしまいたい お前ら私をなんだと思っているんだ。 「苦しいのはお前だけじゃない」 知るか、私は苦しいんだ! 言い訳し続けるのも、疲れたんだ。 |
誰も居なくなった部屋で、手紙を書こうと思う。
一人になって誰かによんでもらいたい。それが矛盾だということは知っている。 あなたへ。 私は人生の目標となるものを失いました。 正真正銘、道に迷ってしまいました。 帰りたいのか進みたいのかもわからない。 痛みや苦しみさえ曖昧になってしまっている。 すでに私が死んでいた。涙ももう出てこなかった。 ただ死体に縋り付いて、毎日をすり減らしていたのです。 私はこれから、生きていこうと思う。 だけど、ちょっと、疲れたなぁ |
もういい。 今までの自分を保てないなら、捨ててしまおう。 変わろう。 誰かの期待を裏切ることになってもいいや。 |